ふくちゃんの「暇つぶしの独り言」     14--12-1
  
     もくれなかったといいます。営業・開発会議で、コンシューマーの使用は多種多様で相当タフな材料でないと駄目だ、と直感したのがきっかけでした。
確かに「窒化ガリウム」の結晶は、他に比べて物理・化学的に安定していて高品質単結晶さえ実現出来れば最適の素子になる筈でした。
「ひとり荒野を行く」中で幾多の困難をブレークスルー、研究の場を再び名古屋大学に移し、一九八九年ついに「PN接合型LED」開発に成功するのです。二十五年の歳月が経っていました。
「大学卒業後は、私の意志とは無関係に予想もしない方向へ向かった」と人生を顧み、人との出会い・・共同受賞の天野教授、松下の小池研究所長、事業化に貢献した豊田合成・根本社長等・・の重要性を挙げます。
人生とは偶然と必然が織り成すドラマなのでしょう。  


「青い光に魅せられ」

 赤崎  勇著


日本経済新聞出版社

平成26年刊


1700円
 「目に沁みるようなコバルトブルーの光を、私は一生忘れることは無いでしょう」・・・青色発光ダイオード開発に成功した一瞬にもらしたノーベル物理学賞受賞者・赤崎勇氏の感動的な言葉です。
七高・京大を経て神戸工業に入り、ブラウン管の蛍光面開発に関わってルミネッセンス(冷光)に出会ったのは氏にとって運命的な出来事でした。
 名古屋大学を経て松下電器・東京研究所に迎えられたのは一九六四年、氏は迷わず研究テーマに「光る半導体」を選んだといいます。これが五十年後の受賞に至る物語の始まりでした。
一九七三年「青色」への本格的な取り組みが始まり、対象に「窒化ガリウム」を選ぶのですが、「GN」は世界の研究者が品質向上に成功せず、撤退・転向が続出する最中のことでした。赤崎氏は「窒化ガリウム」以外に目  
人生は、偶然と必然が織り成すドラマだ