江戸そばの伝統を守る名店(東京編1) 07-10-6記 |
江戸蕎麦の伝統を守る名店が東京にはある。その中でも籔・砂場・更科が老舗の御三家と言われている。いずれも伝説的な 名店で江戸時代の香りを強く残している。喉越しの良い二八に辛汁、白葱と山葵の薬味、江戸蕎麦の醍醐味である。伝統の味 を守ることと客の多様化に対応することの狭間で名店は苦闘する。本来手打ちが建前であるが大量生産のためには機械の手 を借りなければならない。「手打ち」が常に勝るとはいいがたいのだが、やはり風合いは間違いなく落ちる。名店の宿命といえよ う。一方、蕎麦屋の新規開店は続き、新しい波を起こしつつある。「玄蕎麦の自家貯蔵」「自家挽き」もいまや珍しいことではな iい。理想とする蕎麦つくりに挑戦する蕎麦屋のニューウエーブは今後続々と現れるであろう。蕎麦切り新時代の始まりだ。 |
並木町籔(東京) | 巴町の砂場(東京) | 神田まつや(東京) | ||
先代の堀田兵七郎氏の著書「江戸蕎麦一筋」を読んだのは10年前のこと。噂の「並木」である。定番の十割せいろ蕎麦を見て驚いた。50cmくらいの長さまでつながっているが角がない。辛汁と白ねぎと山葵は江戸前。 | 砂場の出生地は大阪。「籔」も元々は砂場から派生したと聞く。一番粉十割の御前蕎麦を注文。つながりは並木と同じ。やや固めで出汁は並木よりやや甘い。全粒粉の蕎麦も打っている。客席はほぼ満員状態(13時前) | 十数人の客が並んでいる。名店「神田まつや」である。「外二割」の手打ち。そのために1回2.5Kgを打つという、「そばがき」で一献と思ったが、昼時ではそれも叶わない。 |
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天保10年(1839年)開業 | 明治末期開業 | 明治38年開業 | ||
蕎麦打ちの段位 蕎麦打ちのの技量にも素人には段位がある。平成9年に全国麺類文化地域間交流推進協議会が素人 蕎麦打ち段位認定制度を作った。1・2段はは各地の蕎麦道場で、3段以上は全国大開で実技試験を行い、技術・品位・衛生など を基準に段位を授与する。現在有段者の数は2,700人。現在のところ最高位は4段で5段は該当者がいない。この協会の特徴は 「蕎麦文化」の拡大と「地域交流」「人の交流」に重点を置いていて「村おこし」「街おこし」「人興し」が狙いのようだ。したがって技 術だけでなく、品位・マナーが重視され、蕎麦の暦史・文化への造詣も求められる。女流蕎麦打ちも盛んである。蕎麦教室を開く と1/3は女性だという。蕎麦が男の世界である時代はとっくに過ぎた。性別・年齢を超えて蕎麦は広がる。 |
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