個性派の蕎麦屋を駆け巡る(京都編2)                   08-5-1
平安京以来の都・京都には伝統的な行事が多い。蕎麦に関わるもので言えば、五山送り火・大文字焼きの夜(八月十六日)に
蕎麦を食べる習慣がある。明治維新までの御所では廊下に出て池に映る大文字の火を見ながら女官一同に蕎麦の振る舞い
があったという。女官達は蕎麦のことを「お廊下」あるいは「葵」と呼んでいたと伝えられる。この習慣が民間にも伝わり今日の
「大文字そば」となった。山科の大石神社では昭和49年を始まりに毎年12月14日に赤穂浪士を偲んで行われる「山科義士祭」
には決まって「討ち入り蕎麦」が出る。また二月の節分には御所の表鬼門に当たる吉田神社と裏鬼門の壬生寺では豆撒きが
催されるが、境内には露店が出店し湯豆腐やいわし・鮎の塩焼き等と共に「福そば」も振舞われるのが恒例となっている。
味禅 07-4-7 にこら 08-4-4 いしたに 07-11-27
昨年4月に初めて訪れ、ご主人と馬が合った。写真の石積みは「空充秋」氏作の「平成之大馬鹿門」。故あって味禅に来た。蕎麦は信州産粉の九一。「渡辺謙」は常連客。「御家人斬九郎」で競演も。蕎麦打ちのDVDもある。    本隆寺南隣の古い民家を改造。店内は黒が基調「二コラ」の絵が3点。流れる音楽はジャズ。蕎麦屋というよりもしゃれたカフェかバーのおしゃれな感じ。隅々まで主人の趣味で貫かれている。常陸秋蕎麦の生粉打ち。透明感のある蕎麦。短い。                嵐山線・車折駅3分。ご主人は30歳代、工学部出身。店内に石臼が3台。目立ては自身で行うとのこと。抜群の凝り性。この日は11食で売り切れ看板。聞くと「今日は体調が悪い」と宣うた。同じ蕎麦粉を異なった臼で挽く「効き臼」もやる。唐変木蕎麦の会会員
薬味について もともと「薬」と「味」は別個のもので、薬は「毒消し」、味は「うまみ」のことを指す。薬味の御三家は「刻みね
ぎ・大根おろし・七味唐辛子」と言われたそうだが、現在では「山葵・刻みねぎ・大根おろし」が主役である。因みに刻みねぎは関
東が「白」、関西は「青」がほぼ定番だ。大根おろしは辛味の強い「ねずみ大根」がよく使われる。武生の「おろし蕎麦」の大根お
ろしは薬味ではなく、おろし汁として味わうものである。そのほか、出石・出雲等では「卵・とろろ」が加わることが多い。ある蕎麦
屋のお品書きに書かれた「蕎麦の食べ方」によると、「ねぎや山葵は香り・刺激が強く蕎麦の風味をそこなう。汁に入れずに蕎麦
を食べる間の口直しとして用いる」とあった
薬味の使い方は種々の流儀があって個人の好みに任されているのが通常である。
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