蕎麦ルネッサンスの始まりか 創作蕎麦・・・      14-12-1
「蕎麦は盛りに限る」と永い間思い込んできたが、少々修正しなくてはと最近考えるようになった。もちろん、江戸の昔から「天麩羅・
あられ・花まき・鴨南蛮そば」等・・・定番の「種物」はあったが、最近の動きは従来の蕎麦概念には入らない「
創作そば」と呼ぶべき
もののように思われる。先端を切ったのは「つけそば」(具材入りの温・蕎麦汁)だったが、まもなく冷蕎麦にも野菜・魚介類などを使
った創作物が広がって来た。明らかに女性・若者をターゲットにした商品構成の多様化である。銀座にはパスタの代えて蕎麦を使う
「洋風手打ちそば屋」が出現したし、店舗もカフェ風が増えて来た。他方で、和食調理人の蕎麦懐石への転身も目立つ。蕎麦ルネ
ッサンスともいうべき現象である。環境変化に適応するのは当然のことだが、蕎麦屋のアイデンティティを失って欲しくないものだ。
 
NA-RU (銀座) 14-10-30
 創作蕎麦  福一(梅田・北新地) 14-11-20
今年1月、銀座に新装開店した「洋風手打
ちそば」の店。神楽坂の蕎麦屋「Nagomi」
の姉妹店。盛り蕎麦をオリーブ油入りの
蕎麦汁で食べる。蕎麦のカルボナーラ・
ジュノベーゼ等々。女性客が多い。
写真:左上はNAーRUの「蕎麦ジュノベー
ゼ」、右上:福一の「黄金そば」。左下:「す
だち蕎麦」
右下:「九条ねぎ蕎麦」(自作)
。創作蕎麦は益々広がり本格的な蕎麦ル
ネッサンス時代を迎えるのだろうか。
北新地の入り口にある。ご主人は元料亭
の調理人。蕎麦懐石で腕をふるう。カウン
ターと個室のこじんまりしたお店だ。「黄金
そば」が自慢の一品。カラスミガふんだん
にかかっている。新地の夜景が美しい。
 
 
乾麺蕎麦・冷凍蕎麦 そばは元々ケの食べ物。団子・蕎麦がき・おやき等にして食べていたのだが、暮らしが豊かになるに
つれ蕎麦はハレの食べ物(蕎麦切り)となって日常の食卓からは次第に遠ざかっていった。が、最近になって、乾麺そばがスーパ
ーなどの店頭を飾ることが多くなってきた。ネット検索をすると直ちに数十種類もの乾麺蕎麦が販売されているのが判る。そのせい
か蕎麦のレシピ本も良く目にするようになった。なかには、蕎麦粉よりも小麦粉の方が多いものもあるが、製造技術の進歩によって、
最近では乾麺「十割蕎麦」も珍しくない。家庭で有名産地の蕎麦粉を使った「蕎麦切り」が容易に食べられるのは結構なことである。
一方、冷凍蕎麦も発売され出したとも聞く。コールドチェーンに乗って「蕎麦」が製造元から家庭へ直結するのも近いのではないか。
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