「大阪の蕎麦は不味い」を覆した名店(大阪1)      07-9-6
 蕎麦といえば東京。東京の老舗と言えば御三家(籔・砂場・更科)と相場が決まっている。が、「砂場」の発祥は大阪であると伝え
られている。大阪城築城の折に作られた砂場跡に”紀伊国屋、いずみや”二軒の蕎麦屋が誕生し、土地に因んで「砂場」と呼ばれ
た。「籔」も元々は「砂場」から枝分かれした店だと言う。豊臣秀吉の蕎麦がき好きは有名。千利休は茶懐石の後段に”蕎麦”を取
り入れたと伝えられる。とすると、大阪も蕎麦に縁の深いはずなのだが「うどんの大坂」と呼ばれて久しい。その代わりに時代を
引っ張るニューウエーブが誕生した。伝統の重みが無い分だけ新しいことには挑戦的である。「大阪のそばは不味い」という評判
を覆すことが出来るか、これは見ものである。
 
凡愚(大阪・大正) 天笑(大阪・枚方) たかま(大阪・天神橋)
 一見蕎麦屋とは思えない入り口。ご主人
は元カメラマンで、自宅ギャラリーを改造し
たものらしい。
関西のニューウエーブ蕎麦
屋の草分けと言われファンが多い。店内で
蕎麦打ちをしている。噂どおり特上の蕎麦、
田舎が美味い。
  京阪枚方駅から数分。和でも洋でもエ
スニックでもない不思議な空間(船中)

外界とは異なったのどかな時間が流れて
いる。
本日使用の「蕎麦粉の産地」が常
時店内に掲示されている。
 
  注意していないと行過ぎてしまう程シ
ンプルな入り口。外界から閉鎖された異
空間が作られている。
屋久杉の一枚板
のテーブルが一卓、木の香りの漂ってく
る店内。
「そばがき」と日本酒が美味い。
蕎麦粉のこと 「蕎麦粉は国産」というが、全消費量の80%は輸入に頼っているのが現状。国内産地は、北海道が圧倒的
で全体の40%を超える、次いで福島・長野・山形の順。蕎麦は「蕎麦粉と水」からなる単純な食品なので、粉の良し悪しが味を決
める最大の要素となる。こだわりの蕎麦屋は全国から良質の玄蕎麦を買い付け、石臼自家挽きで店独自の蕎麦粉をブレンドする
ようになった。石臼自体を作る蕎麦屋まで現れた。「こだわり」は際限を知らない。蕎麦独特の世界が形成されている。秋蕎麦は9
月に収穫し10月頃市場に出回る。北海道は夏蕎麦でこれより少し早い。「日本種の栽培」に成功した南半球のタスマニアからは
夏場の輸入が増えているという。国産蕎麦粉の増産はなかなか進んでいない。輸入蕎麦粉の品質は年々向上しているようだ。