熟成そばに科学のメスを・・三立ては嘘か?     15-11-1
「そばは三立てが一番美味い」・・は永い間そば好き人間のいわば常識であった。ところが最近(ここ十年)で様子が大きく変わっ
て来た。熟成そばの美味さを唱える各地の蕎麦屋の声が燎原の火の如く広がって来たからである。冷凍冷蔵技術と設備の発展
と普及が玄蕎麦を鮮度を維持したまま長期にわたって貯蔵することが可能となった事に加え、打ち上がったそばを数日から一週
間密封冷蔵保存するとさらに旨み・味わいが深くなると言うのだ。ワイン・ウイスキー・日本酒、醤油・味噌等の熟成は広く知られ
ているが、最近では肉・魚等についても熟成が高い評価を得るようになって来た。蕎麦の熟成については、まだ蕎麦屋が夫々の
経験を積み重ねている段階だが、やがて「三立て伝説」が書き換えられる日が来るのかもしれない。科学のメスに期待したい。
★熟成そばと下記の三店とは直接の関係はありません。
すい舎(長野・上松) 14-6-11) ゆうひ(豊後高田) 15-5-28 愚庵(和歌山・有田) 14-5-24
木曽街道・上松から徒歩。浦島太郎所縁
の寝覚ノ床を店内から望める絶好の立
地。越前屋の斜め向かいにある。蕎麦は
挽きぐるみの田舎そば。店の前には水
車がある。気さくな親父さんのお店。
 
大分県豊後高田市の真玉海岸にある蕎
麦屋「ゆうひ」。干潟と夕日が素晴らし
い。この日は時刻がかみ合わず、別々
の写真になった。(裏面の夕日をご覧下
さい)若者達が多い。夜はデート場か?
株式会社銀平が経営するチェーン店の
一つ。有田郡の山の中に立つ茅葺の屋
根が目立つ。土日のみの営業形態。ソ
バ粉は出羽ほまれと寒晒しのミックス。
庭広く、裏に小川が流れて風情がある。
 
 
「立ちそば」の進出 「立ちそば」といえば、最初に駅構内にある「立ち食い蕎麦屋」が目に浮かぶ。が、このところ駅前・
繁華街等の街中への「立ちそば」の進出が話題になっているのだ。「立ち食い」と言えば、安価・簡便・スピードが生命で、お味
は二の次と思われがちだが、どうしてどうして、本格派のそばが食べられる「立ちそば」が東京の都市部を中心に続々誕生して
いると「立ちそばガール」の著者・イトウエルマさんは言う。江戸の香りを残す老舗名店もなお健在で独自の文化を発信し続けて
いるし、そば打ち学校出身の脱サラ・ニューウエーブも拘りの世界を引き続き深めている。そばチェーンストアも一定のファンを
集めている上に「立ちそば店」の進出である。そば業界の多様化は止まるところを知らない。まさにそば戦国時代の到来である。
 
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