秋型・夏型に続いて「春型ソバ」も誕生     16-1-4
元々ソバは夏播きで秋に収穫するする「秋型」(8月播種・11月収穫)である。ところが北上するにつれ地域の気候条件に適合す
るために「夏型」(5,6月播種・7・8月収穫)が生まれた。今度は、沖縄・九州の温暖な気候を活用して「春型」(3,4月播種・5、6
月収穫)の開発が進んでいる。4〜6月にある蕎麦の端境期需要に応えると共に、沖縄ではサトウキビ、九州ではサラダタマネギ
の後作が可能となり、土地利用が進む。更には台風・水害などによるソバの不安定な栽培のリスクを分散するする狙いもある。
とはいえ、ソバは極めて短日要求(日長が短くならないと開花しない)の強い、湿度(梅雨)、霜害には弱い植物なので、春播き
品種は、短日要求性の低い・生育期間が60日程度の早生であることが必須だ。安定多収に不向きなソバの挑戦は今後も続く。
かね久山田(函館)  15-8 慶俊庵〔大阪・住ノ江) 14-10-2 天庵(高千穂)  14-8-3
かね久山田は知る人ぞ知る「津軽そば」が
食べられる数少ないお蕎麦屋さんだ。大豆
をすり潰した呉汁をつなぎに使った独特の
蕎麦で、柔らかく喉越しが良い。元々は青
森生まれなのだが、函館で花咲いている。
ご主人とお母さんお二人で経営するお
店。和風の落ち着いた雰囲気の中で端
正な戸隠産ソバ粉の十割蕎麦。アンデ
スのピンクソルトで食べる。ご主人の拘
りらしい。蕎遊会の例会。
 高千穂神社の直ぐ近くにある。名人高橋
邦弘氏に師事し蕎麦打ちを学んだとい
う。高千穂産のソバ粉は確りした味わい
だ。女性店主が経営する高千穂町の
名物店になりつつある。
 
ソバは頑固者 ソバは収穫が不安定な作物である。短期栽培が出来る、省力農法である、他感作用(雑草に負けない)が
ある等の利点もあるものの、ソバは・・他家受粉(昆虫類の助けが必要)で、倒伏し易く(茎が中空)、実が同時に完熟しない

粒し易く、湿気に弱いといった負の性質も併せ持った植物である。品種改良も「選抜育種・交配」以外に道のない、手間のかかる
頑固な作物なのだが、コメの減反が続く中、食料の自給率向上や地域活性化を図るために、ソバへの増産期待が強まっている。
各地の大学や農業研究センターがソバの「安定多収化・高品質化」に精力的な取り組みを進めるのだが、なかなかソバは強かで
思いのままにはならないらしい。台風による風水害の多い日本で苦闘するこだわりの研究者達にソバは支えられているのだ。
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