世界の「そば食」の実態は・・・?         2017-2-1      
ソバの国別消費量(生産−輸出+輸入)を多い順に並べると「ロシア・中国・ウクライナ・フランス・日本」になるが、これを人口一
人当たりに再計算すると「ブータン・ロシア・フランス・スロベニア・日本」の順になる。日本を基準にするとブータンが約17倍、ロシ
ア10倍、フランス2.4倍、スロベニア・中国はほぼ日本並みになる。ブータンは山岳国で米・小麦の収穫は少なく、ソバは主食であ
る。押し出し麺の「ブッダ」、パンケーキ状の「クレ」が中心の日常食である。ロシアでは粥状の「カーシャ」、パンケーキ状の「ブリ
ヌイ」等が主な食べ方だ。フランスはガレット、スロベニアではパン・カーシャ・パスタ等に幅広く日常的に食されている。我が国の
そば切りはこれらの国とは全く異なった趣味食・外食が中心で世界で唯一無二独自の「蕎麦文化」を形成しているといえよう。
権太呂(京都・四条) 16-12-8 いまふく」の今日の品書き いまふく(京都・深草) 16-12-27 
創業は明治43年、元々は大阪で誕生した
が京都へ移転した。京都代表する老舗蕎
麦屋の一つ。老舗らしい落ち着いた佇ま
い。うるめ+さば+めじかの節に羅臼昆
布と赤穂の天塩が作る伝統出汁を守る。
産地・年度・刈り方・品種・挽き方・切り方
篩い方・保存等の情報を含む品書きが店
内に掲出される。店主の蕎麦への拘り。
「千葉成田産の細切り、徳島在来玄ソバ
挽き、福井丸岡在来の粗挽き」を食す。
こじんまりとしたお店2年前まで寿司屋
であったと店主中根さんはいう。蕎麦は
拘りの本格派。多種の玄ソバを石臼と篩
で自在に製粉。今日はは7種の品書き。
それぞれ個性的なそば。そば好き必食。
 
 
そばの食音(2) 「そばは日本固有の食文化だから食音について他国からとやかく言われる筋合いはない」という民俗派肯定
論から、「いや世界の常識から外れているので食音は厳禁」という国際派否定論まで、そばの食音論争は古今を通じて喧しい。
儒学者山鹿素行は「舌打ちを高く仕り、すふ音遠く聞こゆるはみな小人のわざ也」というが、歌舞伎「雪暮夜入谷畦道」や落語
「時そば」のそばを啜る場面では客席から拍手が起こるし、禅宗の食事では無音が決まりだが、「うどん供養」では食音が許され
るという。我が国では古来、「食べた結果出てくる音に対してはかなり寛容であった」と歴史学者・熊倉功夫氏は指摘する。必要
以上に音を立てるのは論外として、汁が多く箸で食べる日本の食文化にとって食音は必然的属性と言ってもよいのではないか。
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