秋のソバ畑は昆虫の楽園                          18-8-1
「まれまれに蝶の動くや蕎麦の華」(蓑笠) 満開のソバ畑に無数の昆虫が飛び回わる姿を見ていると、そこは昆虫たちの初秋の
楽園のようにも思えてくる。ソバ畑の多い中山間地には森林や草地が近くにあるため、ハチ・アリ・ハエ・アブ・ハナムグリ等を初め
多様
な生物が生息している。昆虫たちにとってソバ畑はは蜜を供給してくれる貴重な存在であるし、またソバは他家受粉植物であ
るため結実するには花粉を媒介する昆虫の存在が必要になる。雨が続くと昆虫の飛来が減り、ソバの結実が悪化して収穫は著し
く減少する。反面、他品種との交雑も起こり易く在来種存続が危ぶまれる一因ともなる。
ついでながらミツバチは蜜のある場所(遠
近と方向)を「円舞」と「尻振りダンス」で知らせているという(長友大著「ソバの科学」)。なんとも、楽しく面白い話ではないだろうか。
樹庵(京都・四条大宮) 18-7-14 上段:ソバ花とミツバチ
下段:そば蜂蜜
そら(JR大阪・うめきた) 18-3-1
今年1月に訪れた折は店主が転倒して両
腕骨折というアクシデントで休業中。よう
やく今回はウリの「拷問蕎麦」に挑戦出来
ると思っていたのが、辛味大根のオフシ
ーズンで思い叶わず。次回に持ち越し。
上段は、ソバ花に集まるミツバチ。彼らが
活発に行動してくれることがソバ豊作の
必要条件。下段は岐阜県養老郡養老町
の「そばはちみつ」(300g、1620円)であ
る。高齢者に優しい蜂蜜だと言えよう。
 
東京丸の内で有名な蕎麦屋「石月(グラ
ンフロント7階にもある)」が経営するイー
トインスタイルの創作そば屋。カウンター
のみの16席。女性一人でも入り易い開
放的なお店。自動券売機の事前支払制
 
ソバ蜂蜜のこと 一般に手頃な蜂蜜というとレンゲやアカシアのハチミツをいうが、ソバの花から採ってきたものが「ソバ蜂蜜」
である。普通の蜂蜜のイメージとはかなり異なり、色は透明感のある黒褐色でソバの白い花から採れたとはとても思えない。香は
強く個性的で、味は濃い黒糖に似ている。栄養価はは極め付きに高く、ルチンやミネラル・ビタミンが豊富なので、数ある蜂蜜の中
で最高といえよう。咳止めの効果は抜群だし生活習慣病やがんの予防にもなる。鉄分の含有量は普通の蜂蜜の50倍もあり貧血
に著効があることが実証されている。濃い味付けの料理に合ので、ヨーロッパ諸国(とりわけフランスとロシア)では高級蜂蜜とし
て重宝されている。料理の隠し味に使ったり、コーヒーに入れるなど用途は広い。好き嫌いはあるが、癖になる人が多いともいう。
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