南大阪に話題の名店を探す                      09-5-5記
大阪は「食い倒れの町」と言われ,前浜の魚・摂河泉の野菜・竜野の薄口醤油・赤穂の塩・三田・神戸牛・灘の酒等の産地が近
くに控える豊饒の地であったし、商業都市として「天下の台所」と言われる物資の一大集散地でもあった。この素材の豊富さが
大阪の味・・「まったり」した独特の旨みを生むことになったのだが、決め手だったのは北前船ではるばる送られてきた「昆布」で
あったと言われている。最後の一滴まで飲める大阪の「きつねうどん」の汁は全国に類があるまい。かくして天下に轟く大阪の
「吸い汁」が完成した。元禄時代のことである。きりっとした「つけ汁」の江戸は「盛り蕎麦」へ、まったりした「吸い汁」の大坂が
「きつねうどん」へ辿り着いたのは故あることであった。現在では、蕎麦の漬け汁に関東・関西の差は殆どなくなったようだ。
 
藍(大阪・狭山市) 09-5-4 摂河泉(大阪・狭山市) 09-4-14 月山(大阪) 07-11-23
 
 小さな庭に面した板敷きの部屋。20席。
木造り、柱は太く天井も高い。ひんやりし
た空気が流れる開放的な空間・・・蕎麦屋
には珍しい。丸岡産の粗挽き十割、透明
感がある蕎麦。味は薄い。
 薄汚い入り口。店内は狭い・・10席。 
名前は「摂津・河内・和泉」から取った。
手挽き十割の挽きぐるみのみ。透明感
があり細く短い。出汁・薬味もこりに凝っ
ている。ご主人はひょうきんな人。
 路地奥の突き当たりにある。15分待
ち。名前の示すとおり「山形蕎麦」の店
居酒屋風の店の作り。夜もう一度来て
みたい。細打ちやや短い。だしは甘め。
全て自家製粉。
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蕎麦の定義 蕎麦には「生」「十割」「生粉打ち」と言った形容詞がつくことが多い。「うどん」や「ソーメン」には見られない現象
である。日本農業規格(JAS)には30%以上の蕎麦粉が入っている場合にのみ「蕎麦」と称することが出来ると決められてい
る。「従来型の麺類店」で売られている蕎麦のなかにはこの基準をやっとクリアーした程度のものが結構ある。蕎麦粉が30%
以下でも「蕎麦を称すること」が公認されているものが唯一つだけある。「沖縄そば」(ソーキそば)である。実は沖縄そばの原
料は全て小麦粉で蕎麦粉は全く使用されていない。沖縄の本土復帰のおり「沖縄そば」の呼称に公正取引委員会からクレー
ムがついたのだが、沖縄の「ソーキそば」の100年を超える歴史的経緯を尊重し例外として処理されることになったからである。
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