北の都・札幌に咲いた店々              09-6-23記
北海道は全国蕎麦収穫量のほぼ1/2を占め、茨城(2位)・長野(3位)の5〜6倍という断然トップの位置にある。これは北海道
開拓が始まった明治初年以来の農耕奨励策(特に蕎麦と菜種)が生んだ成果であるともいえよう。北国向きに開発された著名
なそば種「牡丹・きたわせ・きたゆき」があり、味の良さにも定評のあるところである。しかし信州・越前・出雲のように全国に知
られる「郷土蕎麦(切り)」はついに誕生しなかった。その理由は明らかではない。また、日本一の生産地であるにも拘わらず
道内で消費される蕎麦の90%は輸入品であるという(北海道新聞)矛盾を抱えている。中国・カナダ産玄蕎麦の価格は道産
粉の5,6分の一。東京・大阪の蕎麦屋が道産粉を使い、この地の蕎麦屋が輸入粉を多く使う状況は当分は続きそうである。
 
東家寿楽(札幌・東急) 09-6-2 相生坊(札幌・宮の森) 09-6-2 萬盛庵(札幌・大通) 09-6-1
   
創業90年の歴史を持つ北海道最古の蕎
麦屋「東屋総本店」の二代目が開いたお
店。

円山公園を通り抜け 宮の森シャンツェ近
くの住宅街端にある隠れ家風の店。初老
の夫婦二人が経営する。道内産蕎麦粉、
外二。つゆは辛口。
大通り公園近く。昭和44年創業を二代目
が継ぐ。中層粉に炒りゴマを磨り潰して練
り込む珍しい蕎麦。ゴマが星のように見
えるが香りは少ない。蕎麦粉は幌可内カ
ナダ産の七三。盛は多い。
 
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三立ては間違いか 蕎麦は挽きたて・打ちたて・茹でたてが一番美味しいと言うのが,つい先頃まで定説になっていた
ところが最近では「三立ては間違いだ」という説が一気に増えてきた。「蕎麦の極意」(池之端・蓮玉庵主人・澤島孝夫著)のな
かで著者・澤島孝夫氏(池之端・蓮玉庵主人)は「先ずは蕎麦粉の質が問題で、これ抜きに挽き立てを云々しても無意味」であ
るとし、続いて「打ちたては不味い蕎麦の代表だ。ある程度時間をおいた方が味が馴染み美味くなる。二時間くらいが頃合では
ないだろうか」ともいう。蕎麦屋の中には1〜2日寝かす方が良いとする主張もある。日本酒・ワイン・ウイスキーも熟成期間が
必要なのは当然であるが、牛肉・魚などの動物性たんぱく質も一定期間の熟成が旨みを引き出すポイントであると言われる。
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