蕎麦会席への道をひた走る   蕎麦の高付加価値化・・・      09-7-11
蕎麦屋といっても多種多様な形態がある。腹ごしらえ専門の簡易な立ち食い蕎麦屋、街中によくある食堂兼蕎麦屋、大量販売型の
蕎麦チェーン店、自家製粉・手打ちに徹し「蕎麦の真味」を追求する蕎麦専門店等々。最近では「蕎麦会席」を主体にした割烹風の
蕎麦専門店まで現れ、一口に「蕎麦屋」と片付けることが難しくなった。元々そば(ソバ米・蕎麦団子・・)の生い立ちは救荒食、稲作
の不向きな貧しい中山間地で食されていたものだが、蕎麦切りの出現で「ハレ食」(祝い事)として食膳にも載るようになり、江戸時代
になって初めて蕎麦屋が生まれ広く大衆化したと言えよう。今日の蕎麦食進化の姿は、間違いなくわが国の食生活が豊になったこと
と深く関わっていると思われる。今日の飽食の時代に生きる人々の目には、蕎麦の簡素・単純さはこの上ないご馳走と映るのだろう。
 
洞爺湖・達磨(北海道)  09-6-4(閉店) ろあん松田(丹波篠山)  09-5-28 隆兵そば(京都・桂)  09- 3-26
洞爺湖が眼下に一望できる絶景の場所・
洞爺湖ウインザーホテルの11Fにある。蕎
麦屋としては恐らく日本一の環境であろ
う。名人・高橋邦弘氏が共同経営する。
茨城産・二八の蕎麦会席。 
篠山の山の中にある一軒家全予約制
の「蕎麦会席専門店」。眼前には緑の谷
間が広がる。贅沢な空間であるといえよ
う。地元産野菜が食膳を飾る。明るく気さ
くなご主人と奥様。一日一客という。
 
桂離宮のお隣にある。 ご主人は元板前で
「ろあん松田」で半年修行して開店。32歳
の若手。会席が中心なので蕎麦だけが突
出しないよう心配りをする。蕎麦打ちの腕
前は「ろあん松田」のご主人が絶賛する。
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「蕎麦掻き」のこと 当然のことだが蕎麦掻き(かいもち)」は「そば切り」よりも歴史が古い。1500年代後半に「蕎麦切り」が誕
生するまでは「そばがき」は至極一般的な食べ方であった。蕎麦粉に水を加え火に掛けて照りが出るまで強く混ぜ合わせるだけで出
来上がり。製法が単純なだけに味は「蕎麦粉の質」で決まる。蕎麦粉は味の濃い粗挽きが合うといわれる。そば好きでも案外に未食
の人が多い。山葵・塩などを付けて食べるのが一般的。蕎麦掻きは保存が出来ないので職人は注文の都度作らなければならない。
お客が混んでいる時は後回しにされることもある。入店したら直ぐに注文するのがコツだ。山形県村山市の「最上川三難所そば街道」
には「くれない苑」という「そばがき専門店」がある。ソバ粉の澱粉を糊化(アルファ化)させ栄養分の消化吸収を良くする健康食である。
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