二八蕎麦の謎を解く                                  09-9-1記
江戸時代に誕生した「二八蕎麦」の語意については、2×8で16文とする「価格説」、小麦粉2と蕎麦粉8の「配合比率説」の二
つがある。ところが当時の蕎麦の値段は高々一枚が10文前後であったり、「二六蕎麦」もあったことが後に判明して、二説とも
説得力に欠けるところがあった。そこで時代を区分して読み分ける折衷論が現在は通説(妥協説?)となっている。 が、「二枚
で十八文」の「十」が省略されたのだとする説がある。笠井俊弥著「蕎麦と江戸文化」等である。「当時は盛が少なかったので蕎
麦は二枚食べるのが普通だった」とし「江戸っ子は粋がって・・言葉を省略する癖」があったと、著者は江戸時代の川柳・俳諧等
の膨大な資料を駆使して説明する。単なる異説に過ぎないのか。説得力のある有力な主張に思えるのだが如何だろうか。
 
しゅばく(宇治) 09-8-18 塩釜(京都) 07-6-20 卓(神戸・元町) 09-8-1
宇治橋の東詰にある。暖簾に花火の模
様が珍しい。
十割の超細切り。京都の
名店だった「なかじん」で一年半修業。
34歳の若手。「のびるといけないので早
めにお上がり下さい」と声がかかった。
修学院傍。この店の最大の特徴は量
の多いこと。奥の座敷に座り込みご主人
の蕎麦打ちを見学。なかなかの打ち手。
グラフィックデザイン会社を経てこの世
界へ蕎麦屋の前職はカタカナが多い。
 
元町商店街から少し横に入る。居酒屋
風。最初に「蕎麦湯」がでる。ほぼ満席。
十割の田舎を注文。デザートに西瓜・・
珍しい取り合わせだ。
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蕎麦包丁のこと 蕎麦を切り揃え最後に形を作り上げるのが包丁の役割である。蕎麦打ち職人の業の見せ場でもある。均
等幅に切り揃え角を出すのは難しい。「木鉢3年・延し3月・包丁3日」というがこれは蕎麦打ちの重要度を述べたもので難易度
ではない。蕎麦包丁は刃が握り手の下まである特異な形状をしている。包丁の重さを利用して上からストンと「押し切る」には
重心が手許に近いことが必要だからである。また蕎麦の「角」を出すのには切れ味が重要になる。和包丁といえば何といって
も堺。鉄砲とともにポルトガルから伝来した鍛造技術とタバコ葉切りで培った職人の経験と厚みが、堺を和包丁日本一に押し
上げた。江戸蕎麦包丁(標準):長さ33cm・幅11cm・重量約1s・・素材はステンレス・各種鋼がある。価格2,3〜十数万円。
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