旅人と共に進化を続ける「駅そば」                12-10-1         
「駅そば」が注目されている。昔は長距離列車への乗り換えや補助機関車接続等のため、乗客の長時間の時間待ちが多く、その無
聊を慰めるため「駅そば」が誕生したといわれている。碓氷峠の急勾配に備えて補助機関車接続のため列車の長時間停車を余儀な
くされた信越線の横川・軽井沢両駅が「駅そば」発祥の地(明治30年代)とされるが、、北海道の長万部駅・森駅の方が先とする異説
もあって真偽は定かではない(「駅そば読本」鈴木弘毅著)。鉄道の敷設が進むにつれ「駅そば」は全国に普及し今日を迎えている。
更に最近では各地に誕生する「道の駅」、高速道路のSA/PA蕎麦屋も平成の「駅そば」と言えるのかもしれない。江戸時代の「街道
そば」を始祖とし、常に旅人と歩みを共にしてきた「駅そば」は今後も進化・多様化を遂げると予想される。駅そば今昔物語である。
北陸本線・福井駅  11-4-28 東海道本線・三島駅 12-5-28 信越本線・長野駅 11-5-18
北陸本線・敦賀・今庄間の急勾配に備え
今庄駅で補助機関車増結のため長時
間停車が必要であった。そこで今庄駅に
「今庄そば」が誕生した。昭和37年トンネ
ル開通で現在は福井駅に移転している。
昭和9年に丹那トンネル開通にともなって
三島駅が誕生した。同時に伊豆箱根鉄道
の乗り入れがあって修善寺と繋がった。
乗り換え時間つぶしに「駅そば」が誕生し
た。現在も駿豆線・JR線乗換口にある。
長野駅から信越本線・飯山線・篠ノ井線
・しなの鉄道線の4方面に鉄道は伸延す
る。戸隠・飯山・善光寺等の蕎麦処にも
近い。殆どのプラットホームにも蕎麦屋
がある。写真は駅そばの名店・小菅亭。
蕎麦鑑定士 日本麺類業団体連合会等が今夏立ち上げたばかりのほやほやの資格である。不動産・古物・宝石鑑定士等のよう
に「鑑定士」とは普通は物の価値(値段)を鑑定する専門家のことを指す。蕎麦鑑定士はまさか蕎麦の値段を鑑定するわけではあるま
い。「伝統的な日本の蕎麦について正確な知識を持ち、なおかつ蕎麦を味わってみて、その蕎麦が備えている魅力を見分けられる人」
と説明にある。食に関系する資格にワインの「ソムリエ」、日本酒の「唎酒師」があるが、いずれもこれはお客様へのサービスが本務で
あり、蕎麦鑑定士とは狙いが違うようだ。似通ったものに「日本酒検定」がある。日本酒も蕎麦と並んで日本の食文化を担う代表選手と
いえよう。「日本の食文化を正しく継承し発展させるための知識と味覚の練磨を目指すものである」というのが正しい理解であろうか。
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