世界で唯一ソバ生産量が増加する国・・日本          13-7-1                 
 世界のソバ栽培が低迷する中、我が国のソバ粉は生産・消費量共にここ数十年僅かながらも増加を続けている。これは言うまでも
なく、この国に「蕎麦切り」という独自の食文化が発展していることに由来する。もともと「ソバ」は土地単位当たりの収益性の低い穀
物で、小麦・米・トウモロコシに後れを取る。明治・大正期の国内ソバ栽培は現在の優に倍以上の水準にあったが、戦後は稲作に押
されて減産、不足分は輸入に頼るようになる。結果自給率は20%にまで低下したが、昭和45年コメの減反政策が始まりその代替作
物としてソバが見直されるようになった。最近は上質な粉を求める蕎麦愛好家の増加と、農家の老齢化が逆に粗放的で収穫期間の
短いソバ栽培(省力化)に注目を集めることになった。自給率・作付面積も上向きに転じつつあるという。真に喜ばしいことである。
なか井(大阪・堺筋本町) 12-12-4 ほの香(茨木)  10-2-25 秀(高槻)  12-7-15
北浜から5年前に堺筋本町に引っ越してき
た。レトロなビルの地下にある昼時はサラ
リーマンで混むお店。蕎麦粉に凝る職人
気質のご当主。蕎麦打ちは片倉康雄「蕎
麦打ちの技術」で学んだという。
階段を上がった二階に店がある。信州蕎
麦が食べられる。日本酒各種幅広い銘柄
がある。合鴨・馬刺しなど品書きも豊富。
国産・中国産蕎麦粉別に価格表示がある
のも珍しい。
農家が経営する蕎麦屋。日曜のみの営業
で一日30食限り、農繁期はお休みという
恐らく類例のない営業形態である。客席
も屋外に設えられていて、雨天は屋内に
移動するのか?自家製「どぶろく」もある。
十割蕎麦 最近は「生蕎麦」よりも「十割蕎麦」とする記述が目立つので、広辞苑(平成11年版)で調べてみた。生蕎麦(きそば)
には「蕎麦粉だけで他に混ぜ物のないそば」と解説があるが、十割蕎麦(じゅうわり・とわり)の方は項目自体が見当たらない。「蕎
麦の事典」(新島繁・1991年)も同様である。どうやら「十割蕎麦」は未だ市民権を獲得していない言葉のようだ。「生蕎麦」の方は
江戸時代から使われて来たのだが、いつしか「つなぎ」の入った蕎麦も「生蕎麦」と呼ばれるようになり用語に混乱が生じてきた。い
ずれにせよ、近年のソバ製粉技術の飛躍的な向上によって「生粉にせよ十割にせよ」、一定の技量があれば十分打てる時代になっ
た。七三・二八・九一・外一・生粉派夫々に主張はあるが、これは蕎麦の優劣ではなく各人の好みが奈辺にあるかによるのである。
 
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