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蕎麦はなぜか「食べる作法」にうるさい、と思われている。「正しい蕎麦の食べ方」はあるのだろうか。答えは”NO”だが、より美 味しく・美しく食べる方法はある。私見を纏めてみよう。先ずは(1)直ぐ食べること。蕎麦は生き物、乾燥もするしノビもする。話 は後、食べるが先、である。(2)汁は味をみて漬け方を決める。辛い汁には少し、薄い汁にはどっぷり。至極当たり前のことだ ろう。(3)ズッズッーと啜って適度に噛んで食べる。最小限度のの食音は蕎麦屋では許される。ズルズル・グチャグチャは見苦 しい。(4)蕎麦に直接付けるも良し、汁に溶かすも良し各人の好みだろう。山葵は元々鰹の臭い消し用だ。(5)締めは蕎麦湯。 そば汁を加え山葵を加えて飲む。歌舞伎「雪暮夜入谷畦道」のような「粋な食べ方」もある。時に気取ってみるのもどうか。 |
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花もも(京都・丸太町) 13-4-9 | 「わたつね」(京都・烏丸) 13-9-26 | |
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御所のすぐ南にあるこじんまりしたお 店。玄関を入ると6人掛けの大卓だけ、相 席。二階は座敷になる。蕎麦は三地域の ブレンドした粉の二八。長く繋がってい る。自家挽きに拘るのはご主人の信念。 |
蕎麦専門店を想像したが、店内は大衆 食堂。十割蕎麦から丼・焼き魚定食まで ある。粉は買入れだが粗挽きの十割、本 格派だ。「唐船そば」・・やや細めの二八。 |
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蕎麦屋の”おもてなし” 「おもてなし」は滝川クリステルが使って一躍流行語になった。「おもてなし」は日本人の心といっ ても良いだろう。そこで「蕎麦屋のおもてなし」だが、「売り切れ御免」を掲げるお店は少なくないし、「二八のざる」しか品書きに ないお店や、冬でも「温かいそば」を出さないお店も決して珍しくない。とかく蕎麦屋は我が儘で自分勝手に見える。が、真正の 蕎麦屋は早朝からその日必要な分量の粉を石臼で挽き、蕎麦を打つ(4〜6s)、これで4〜5時間はかかる。「三たて(挽きた て・打ち立て・茹でたて)」に拘る蕎麦屋の日課なのだ。蕎麦屋の「おもてなし」は実はお客に見えない舞台裏に隠されている。 蕎麦は生もの、壊れやすくて保存の効かない食べ物だからだ。他の麺類とここの所が違う。「蕎麦屋だけの一期一会」なのだ。 |
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