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関東は”蕎麦”、関西は”うどん”、と言われるのが普通だが、江戸時代の中期までは決してそうではなかった。「蕎麦全書」(1751) にも江戸の蕎麦屋が「うどん」を併売している様が苦々しく書かれている。もともと江戸には上方からの移住者が多く、うどん愛好 者も多くいた。「うどんそば 順に不服のあるおそば」(吉則)どうやら「うどん」が上位だったようだ。ところが江戸ではこの順位に変 動が起こって来た。色々な理由があろう。先を走る上方文化への劣等感、その裏返しとして江戸独自文化への待望、江戸っ子の ”せっかち”な性向とファーストとしての蕎麦との相性、蕎麦の品質向上(美味く・切れない)、江戸の上水道の早期完備等々が考 えられる。「うどんと蕎麦」の角逐を面白可笑しく描いた黄表紙・珍本に「うどんそば化物大江山」(恋川春町1776年)がある(別掲)。 |
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梵保庵(吹田) 08-2-1 | 貞寿庵〔総持寺) 07-11-24 | 乃田(交野) 07-11-22 |
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店名の「ボンポアン」はフランス語、「グッドポイント」の意。ご主人は商社マンからの転進・脱サラ組。2Fが客席で、古箪笥・三味線・屏風・焼き物などが置かれていて時代不明の異空間。蕎麦は「黒」と「白」の2種。バランス良し。 | 築200年の納戸蔵を改造した店。急な階段を上がると、酒樽蓋の卓、水車。大阪には珍しい「山形蕎麦」の「外一割」。 山葵・とろろ・辛味大根の「蕎麦三昧」。 ご主人から「つゆに凝ってみたら」のアドバイス。 | 京阪交野線・郡津駅前。簡素な店内。蕎麦は北海道ニセコの新蕎麦。甘皮挽きぐるみで薄緑色をした細打ち。京都「じん六」に傾倒するご主人。蕎麦味噌がついてくるが、これが飛び切り美味い。「唐変木蕎麦の会会員」 |
蕎麦つゆのこと 落語に「一度でいいから、つゆにたっぷりつけて食べたかった」と言って死んだという話がある。蕎麦を漬け 汁に1/3ほど漬け啜り込むのが江戸っ子の粋な蕎麦の食べ方だというのだ。本音と建前。いずれにせよ江戸っ子のやせ我慢を冷や かす面白い噺だ。一方、この江戸っ子の食べ方は粋がったのではなく、そばつゆが辛かったためだとする説もある。何故江戸のそば つゆは辛かったのか、これも諸説ある。第一は、肉体労働の伴う武士と職人の町・江戸は多量の塩分が必要なので辛口に、商人の 町・上方は甘口にとする説。次に、盛りそばの江戸は漬け汁(辛)、かけうどんの上方は吸い汁(甘)、水の硬軟による料理法の違い、 果ては、そばつゆの節約のための蕎麦屋の謀略説まである。恐らく真実はその複合したものであろう。文化とはそういうものだろう。 |
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