「熱盛そば」          大阪。堺 「ちく満」  08-6-20
 
 江戸時代初期にはソバ粉の質もわるく、つなぎも入手が困難で茹でると切れ易くなるのが普通だった。
 そのため、茹でるのではなく蒸す蕎麦が考案された。蒸篭(せいろ)はその時代の名残といえよう。
 何故か関西にはその「蒸した熱盛そば」が残っている。その代表は堺の「ちく満」、創業が元禄8年
 (1695)だという。外に大阪では「瓢亭」、京都には「竹邑庵太郎敦盛」、また神戸の須磨公園近く
 に「敦盛そば」がある。コシの強い普通の蕎麦と違って柔らかい、「熱盛そば」の食感には好みがあろ
 う。美味い不味いは別として、蕎麦を愛好する人は一度は足を運ばなければならない蕎麦屋である。

  
竹邑庵太郎敦盛の熱盛蕎麦