昭和天皇と蕎麦

   昭和天皇の蕎麦好きは親譲り(大正天皇)の本格派である。宮内庁大膳部で天皇一代の料理番を務めた「谷部金次郎」氏

   によれば、毎月30日には「晦日蕎麦」が献立に入るのだが、その際はご飯に手を付けられずに蕎麦をお代わりするのが常であり、
   
   甘めの出汁に薬味は葱だけでわさびは一切使わなかったと書かれている。(「昭和天皇と鰻茶漬」)昭和天皇はアルコールは駄

   目だったので「蕎麦前」を楽しむことは出来なかったと思われえる。

    昭和天皇も人間宣言以降は稀に外食をする機会も生まれ、特に戦後の全国行幸の折に蕎麦屋に立ち寄ることもあった。

   北海道・釧路の「東家総本店竹老園」、武生の「うるしや」等では昭和天皇が出された蕎麦の美味にお代わりを所望されたと伝

   えられている。