蕎麦屋3763軒

  延享年間(1744~1748)の江戸の町数は1678とする記録がある。

 この町数から考えると,3763という数字は守貞稿にいう「1~2町に1店」と符合する

 とは言い難い。

 万延元年と約100年の開きがあるが、町方の人口(武士の人口統計は無いので

 便宜的に町方と同数と考える)は、延享元年が526612人、万延元年が562505人

 で微増してはいるが、町数が大幅に増えたとは考えにくい。

 とすれば3763店はやや過大と言える。また「会合す」とあるが、どのように集まった

 のか
疑問も残る。参考までに現在の東京の蕎麦屋の数は3200軒、人口は10倍を

 超えるので店数当たり人口は約4000人
となる。