急増するミシュランガイド一つ星店       11-4-1
2011年度ミシュランガイド(東京・横浜・鎌倉編と京都・大阪・神戸編)に新しく19軒の蕎麦屋が選ばれた。既選出分を加えると24軒
になる。ミシュランの選定基準を見ると「素材の質、調理技術の高さ、味付けの完成度、独創性、コストパフォーマンス、そして常に
安定した料理全体の一貫性です」・・・店の雰囲気、サービス、快適さは、基準には含まれない」とある。玄蕎麦(ヌキ)の買い付けから
製粉・製麺・出汁に至るまで求道的蕎麦屋の徹底した蕎麦への拘りには目を瞠るものがある。それを読み取ったミシュラン調査員の
感性を評価したい。関西(15店)が関東(9店)を上回ったのは何故か? 関西の蕎麦の伝統に囚われない独創性が買われたのか。
蕎麦の後進地と考えていた兵庫県から5店も選ばれたのが面白い。若干の疑問も残るが全体として妥当な評価と思えるが如何か。
むら玄(芦屋・奥池) 11-3-30 翁(大阪西天満)・再掲 07-2-15 にこら(京都)・再掲 08-4-4
有馬温泉の「むら玄」が芦屋の奥池に4年
前開店。琵琶湖畔の酒蔵(江戸時代)を移
築した。静かな環境の中、古い酒蔵の梁
とモダンな照明、ガラス張りの壁が生み出
すハーモニー。2011年ミシュラン★を獲得。
三代続いた街の蕎麦屋を三代目のご主人が「蕎麦専門店」に変えた(1990年) 山梨・長坂の「翁」で修行。師匠より「翁」の屋号を使う許しを得た。店内一枚板の卓。2010年ミシュラン★を獲得 本隆寺南隣の古い民家を改造。店内は黒が基調「二コラ」の絵が3点。流れる音楽はジャズ。蕎麦屋というよりもしゃれたカフェかバー。主人の趣味で貫かれている。
2010年ミシュラン★を獲得。  
蕎麦屋の出前 「蕎麦屋の出前」と言えば「いい加減な言い訳け」をする代名詞であった。それくらい蕎麦の出前は一般的であ
ったのだが、近頃はとんと耳にしなくなった。昔は商家の月末棚卸には奉公人達に出前の蕎麦を振る舞うのが常であったとも聞く。
その習慣も次第になくなり、交通事情も一変した。蕎麦の「三立て(挽き立て・打ち立て・茹でたて)」が浸透したことにもよるのかもし
れない。老舗へ行くと稀に古い「岡持ち」が飾られているを目にすることがある。かつぎ(出前持ち)が江戸の町を疾駆した粋な姿が目
に浮かぶ。最近は事情が一変して出前と言えば単車に乗った「ピザ」デリバリーが代表選手のようだ。ネットショッピングも新種の出前
と言えるのかもしれない。そういえば、蕎麦も「取り寄せ」が珍しくなくなった。貯蔵の新技術が蕎麦にも新時代をもたらすのだろうか。
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